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アンズ属とスモモ属
1998年10月03日(金)
杏と李の違いに関する情報集: その16

ウメArmeniaca mume (=Prunus mume)は,落葉小高木で,高さ3-5メートルになる。小枝の頂芽はサクラモモと違って発達しない。葉は倒卵形または楕円形で互生し,縁には細かい鋸歯があり,裏面は有毛または葉脈上に毛がある。夏に伸びる徒長枝には花芽をつけることは少ないが基部から頂端にはっきりと1本の溝が刻まれているが,成熟すると頂端部では目立たなくなる。
アンズ属を広義のスモモ属に合一する見解もある。その場合はPrunus(サクラ属)の属名を用いる。スモモ属とは,がく裂片が開花期に反り返ることなく斜上していることや,核に小さな孔があること,またアンズ属が1つの芽から1つの花が生ずるのに対し,スモモ属は1つの芽から2-3花生ずるなどの点で区別される。
ウメは中国のどの地方に自生していたのだろうか。これは推定の域を出ないが中国西南部(チベット東部と雲南,四川省)から長江(揚子江)沿いに広東省に至る地域とされる。台湾の山地にも自生していたとする説もある。アンズ属の他の種は冷温帯に分布するが,ウメだけは他の種と異なり,温暖な地域に適応した種といえよう。

『朝日百科:植物の世界』(朝日新聞社)
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サクラ亜科の果実と核
1998年09月25日(木)
杏と李の違いに関する情報集: その15

サクラ亜科はおもに広義のスモモ属Prunus(サクラ属ともいった)からなるが,果実と核(内果皮)の違いによりモモアンズなど6種に分類される。
① アーモンド(扁桃)Amygdalus communis(モモ属):果実には短いが柄(え)がある。外果皮には軟毛が密生する。熟すと目立たないが,果実の底部から頂部にかけて縦方向に1本の浅いくぼみのような溝がある。核は偏平で,表面には不規則なくぼみがあり,さらにくぼみが連続して溝のようになることもある。
② スモモPrunus salicina (スモモ属):果実には柄がある。縦方向に不明瞭だが溝がある。外果皮にはまったく毛がなく,光沢がある。核は偏平で,表面にはしわがあるが,くぼみはない。
③ ウメArmeniaca mume(アンズ属):縦方向に溝がある。果実の形はスモモに似るが,柄がほとんどなく,外果皮には細かい毛が密生する。核は偏平で,スモモのようにしわがある。
④ セイヨウミザクラCerasus avium(サクラ属):いわゆるサクランボだが,果実は長い柄をもち,モモ,スモモ,ウメより明らかに小さい。また縦方向の溝がない。外果皮は無毛で光沢がある。核はわずかに偏平な楕円形で小さいけれ>
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