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杏と李の違いに関する情報集: その2
1998年07月03日(木)
杏の花

今,私が教えている杏林大学の八王子キャンパスは,杏の並木はようやく盛りを過ぎようとしているが,間もなく初々しい新入生が登場,春の気分が満ち溢れる。
私は杏の花が大好きである。約三十年前,日銀の松本支店長をしていたことがある。長野市の郊外に“杏の里”がある。その場所が気に入って,会議や講演のついでにしばしばそこに立ち寄った。
杏の花は,桜の花より少しピンクがかっているが,桃の花ほどではない。華やかであるが,それでいて少し淋し気でもある。杏の里の外れ,人気(ひとけ)のない所にぽつんと一人でいると,実に気が落ちつく。杏の花は一本より林の方が映えるような気がする。
「杏林の故事」もよい。中国古代に董奉という仁医がいた。貧乏人からは金(かね)をとらない。その代り軽い患者は杏一株,重病者には杏五株を植えさせた。数年にして家の周りに杏の林ができた。それ以来「杏林」は医者の尊称となった。
杏林大学は当初医科大学として発足,その後社会科学部,外国語学部,保健学部が加わり総合大学となった。大学の名称は杏林の故事による。私がこの大学の客員教授になったのは,一つにはこの名前に惹かれたこともある。
杏に囲まれて
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杏と李の違いに関する情報集: その1
1998年06月27日(金)
アンズ

アンズという異色の果物がある。筆者の出身地である長野県北部では集団栽培されている。冬季五輪が終わって三月下旬になると,アンズの森の花盛りがこの地域の人たちの次の楽しみになる。
東洋では古くから薬物果物とされ,西洋でも「黄金のリンゴ」といわれ珍重されてきた。実際,核の中のアンニンには強力なせき止め・鎮静作用が認められている。果肉のだいだい色はカロチノイド色素。なかでも抗がん作用があるとされるベータカロチンが,他の果物に比べて飛び抜けて多い。
アンズのベータカロチン含量は百グラム当たり平均千マイクロ(1マイクロは百万分の1)グラム。次いで,ビワ七百二十,メロン(露地)四百五十,スイカ三百八十,柿と梅が百二十という具合である。熱帯果物のマンゴーは千六百でこれは別格だが,色の濃いアンズでは四千を超えるものもある。ベータカロチン源として,ニンジン,ホウレンソウなどの緑黄色野菜に匹敵する。
アンズは熟しても渋みと強い酸味をとどめている。この点でも他のバラ科果物と趣が違う。酸味は大部分がリンゴ酸であり,その含量は酸味の強いリンゴと比べても二三倍ある。渋みはタンニンによるもので,そのうちでも茶の渋
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